プラスチックのリサイクルに関する研究ニーズが年々高まってきています。レオ・ラボでも卓上混練機やキャピラリーレオメータ、メルトインデクサのリサイクル用途で導入頂くケースが多くなってきています。
卓上混練機を導入頂いた物質・材料研究所様より、スクリュートルクの情報を元に機械的性質を予測する論文が発表されましたので、活用事例としてご紹介いたします。
論文の内容は下記URLからご覧頂くことが可能です。
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acssusresmgt.5c00040
(ご注意:外部サイトに移動します)
本論文の概要
最小限のエネルギー消費で機械的リサイクルを推進することは喫緊の課題となっています。しかし、プラスチック廃棄物全体の約半分を占めている家庭から排出されるプラスチックの多くが汚染されています。これらの汚染状態はロットごとで大きく異なるため、そのリサイクル用途は低品質向けの製品に限定されています。本研究では、すべての再生プラスチックが溶融、混練、ペレット化のプロセスで行われていることを前提としています。
混練中の溶融粘度(追加コスト不要で混練中に得られる補助データ)*に基づいて再生プラスチックの機械的特性を予測することにより、ほとんどコストをかけずに各ロットを検査する方法を提案します。混練中のペレット特性を加工前に予測することで、特定の用途に合わせた高品質で均一な再生プラスチックを分類・抽出することが可能です。このアプローチを検証するために、家庭から出るポリプロピレン(PP)廃棄物23ロットの引張特性とシャルピー衝撃エネルギーを予測しました。双方向RNN(ニューラルネットワークの一種)を活用して予測した機械的特性に基づいて、加工前ペレットを分類するシステムを開発し、85%を超える精度を達成しました。この革新的な分析方法は、家庭ごみのアップサイクルにおいて費用対効果の高いソリューションを提供し、循環型経済における持続可能性に貢献します。
*スクリュートルクを利用して混練中の時間変化粘度をモニタリング
卓上混練機では混練中のスクリューにかかるトルクをタッチパネル上に表示しています。オプションのソフトウェアを追加することで、トルク変化(バレル温度・スクリュー回転数を含む)など混練中のデータを記録することも可能です。上位版のソフトウェアではトルクの値から溶融粘度を算出する機能も追加されています。
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